世界初「たこ焼きロボット」は、“プロ”を超えることができるのか:水曜インタビュー劇場(くるくる公演)(3/7 ページ)
世界初の「たこ焼きロボット」が、長崎のハウステンボスに登場した。ロボットは、たこ焼き器への油引き、生地入れ、返し、焼き加減の調節、盛り付けなど行うわけだが、味はどうなのか。また、プロの味を超える日はやってくるのか。ロボットの生みの親に聞いた。
たこ焼き器は熱いし、手は疲れてくる
土肥: 会社を立ち上げたので、「じゃあ、たこ焼きをつくるロボットをつくろう!」となったのでしょうか?
沢登: いえ。話はちょっと前後しますが、起業することを決めて、勤めていた会社は17年3月に辞めました。ただ、そのときは具体的にどういったモノをつくるのか、決まっていませんでした。そんな状況だったときに、たまたま友だちから「タコパ」(たこ焼きパーティー)に誘われたんですよね。
僕は山梨県出身なので、たこ焼きをつくったことがありませんでした。ただ、面白半分で焼いていたら、子どもたちが興味深そうに見てくれたんですよね。そして、自分がつくったたこ焼きを「おいしい」「おいしい」と言って食べてくれる。このような経験をしたことがなかったので、ものすごくうれしかった。ただ、2〜3時間もつくっていると、さすがに嫌になってくる。たこ焼き器は熱いし、手は疲れてくるし。そのとき、このように感じました。「この一連の作業をロボットにさせることはできないだろうか」と。
翌月、スタートアップが集まって、さまざまな技術を紹介するイベントがありました。そのイベントで披露できるように「たこ焼きロボット」をつくることに。生地をひっくり返すといった単純な動きしかできなかったのですが、アーム型ロボットが家庭に入ってきたときの光景がイメージできる点が評価され、優勝することができました。
土肥: ほー。
沢登: その後、またイベントに出場する機会があったので、改良を加えて出品しました。1号機は棒をぐるぐる回すだけで、まだまだきれいに焼くことができませんでしたが、2号機は油をひいて、生地を入れて、返して、盛り付けることができるようにしました。その動作を見た人たちからは「おもしろい」といった声をたくさんいただきました。
2号機はタコを認識することはできていたのですが、焼き加減はまだまだ。返しの工程でうまく回っているモノもあれば、回っていないモノもあったんですよね。さらに改良を加えて、3号機ではその画像を認識することによって、うまく回すことができるようになりました。
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