【第8回】会議は踊る、されど進まないのはなぜか:「働き方改革」プロジェクトリーダーを命ず(1/3 ページ)
働き方改革プロジェクトで本当に改善すべき点は「会議」にあった。当たり前だと考えられていた会議の無駄にメスを入れる。
前回までのストーリー
第3回ステアリングコミッティの翌日。滝柄、日野下、竹中は早速ミーティングを開いた。滝柄の提唱した、会議・資料改革について進め方を検討するためだ。
会議延長が組織に与えるダメージ
滝柄: 社長にも指名されたことだし、このテーマは総務部門でリードしようと思いますが、経営企画主催の会議も少なくないし、何より竹中さんもいらっしゃる。ぜひとも連携していただきたいのです。
日野下: もちろんです。正直、相当大ナタを振るい、割り切っても業務改革で30%以上の余力創出は難しそうだと感じていました。滝柄さんの提言で助かりました。
滝柄: 実は昔、ファシリテーション(効率的な会議促進の取り組み)の社外セミナーに出たことがあって、その時から会議に対して問題意識を持っていたんです。ただ、私自身うちのやり方にどっぷりつかってきたので、どこから手を付けて良いか分からなくて。
今回のプロジェクトは良い機会だと思って、総務部門で議論してみたのです。今日は、私の問題意識をお話ししますので、ざっくばらんに意見交換させていただきたいです。こないだの竹中さんの分類だと、「知見者系会議(ブレスト、ブレインストーミング。有識者が意見を交わし、議論を重ねることで新たなアイデアや次のアクションを生み出す手法)」のイメージですね。
滝柄が続ける。
滝柄: うちの会議はとにかく長い。その割に結論は出てない感じです。ほとんどの会議が定刻に終わらないんじゃないでしょうか。
竹中: 会議が伸びると、意外と組織へのダメージが大きいんです。例えば、キーパーソンが集まる会議が10分長引くと、各人の後続のスケジュールがすべて10分遅れることになります。その間、何人もの社員がキーパーソン待ちの状態になってしまったりします。遅れが組織の中で連鎖し、増殖していくんです。
日野下: それ、うちでもよくありますね。
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