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パタハラ回避で50代が転勤? カネカ騒動が示した“辞令と家族”のリアル:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/4 ページ)
カネカの「パタハラ」騒動は、SNSに書き込んだ側も炎上するなど、さまざまな見方が出ている。一方、本来は個人の成長にもつながる「転勤」がネガティブに捉えられた。育児だけでなく「介護」とも密接に関わる転勤。そのメリットを生かす経営が求められる。
過去の投稿が明らかになり、元社員の妻をディスるコメントも散見されますが、カネカの初期対応はこのご時世で「適切」とは言い難いものでした。同社の株価が一時下落したことから鑑みても、その代償は大きかったとしか言いようがありません。
カネカを批判する人、その後、擁護に回った人それぞれですが、個人的には今回の事案で、「転勤」という、本来であれば個人の成長につながる貴重なリソースが、リソースとして機能していないことを、とてもとても残念に思いました。
と同時に、転勤問題は「育児」とセットで論じられがちですが、「介護」問題とも隣接していることを忘れてはいけません。ところが、前者は盛り上がっても、後者はいまひとつ盛り上がりに欠ける。誰もが老いるし、誰もが介護問題に直面するのに、介護問題は「冷たい雨に降られた人にしか、本当の冷たさが分からない」というリアルが、そうさせるのです。
そこで、今回はあえて「介護と転勤問題」を取り上げます。どうか「自分はまだ関係ない」という方も一緒に考えてください。
ベテラン社員の“隠れ介護”と転勤
親の介護問題が現実味を帯びる50代の会社員にとって、抜き差しならぬ事実があることを教えてくれたのが、某大企業に勤める男性です。
男性いわく、「新手の追い出し部屋」とも思われる人事が、ベテラン社員の転勤の背後に存在するというのです。
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