もう、やめない? 部下に理不尽強い続ける“管理職ごっこ”:会社をダメにする「仕事ごっこ」(3/4 ページ)
「管理職らしくふるまうために、コミュニケーションの壁、情報の壁をつくる」「情報がほしければ、礼儀作法をわきまえて「お前から頭を下げてこい」な空気を作る」――会社にはびこる、こんな“管理職ごっこ”、もうやめませんか?
部下→管理職のモヤモヤ
- 「上司に気軽に相談できない」
- 「ついでに課長に聞けばすむ話なのに、いちいち主任を通さないといけない」
- 「話しかけるタイミングすら気を遣う」
モヤモヤは、部下の生産性もモチベーションも下げます。
- 「部長が何をやっているのかわからない」
- 「情報がおりてこない」
- (とはいえ、「情報をくれ」とリクエストすると嫌な顔をされる)
これでは、部下は部長に何を期待したらいいのか、自分たちは何をどこまでやったらいいのかも、わからなくなります。仕事に対して、受け身にならざるをえません。
「社長や本部長の顔はおろか、名前すら知らない」
どこぞの企業でのエピソード。新人社員研修で、社長の名前を書けない新入社員を講師が叱咤したニュースが物議をかもしました。これ、新入社員の問題ではなく、名前や顔を知られていない経営者・管理職のふるまいに問題ありかもしれないですよ。現場に顔を出さない、挨拶すらしないトップや管理職は、知ってもらえなくて当然。「若手が調べて覚えるべきだ」は、あまりに上から目線すぎやしませんか?
管理職→部下のモヤモヤ
- 「部下から報告がない」
- 「部下が何に困っているのかわからない」
こうして、管理職は1人で部課長席に座って悶々とする……のはまだいいほうで、現場と隔離された個室で安心しきっている“幸せな”おエライさんも。ごきげんよう。
過度な「管理職ごっこ」。ひかえめにいって、組織のリスクです。トップや管理職は、どんどん現場のリアルが見えなくなります。社内の部下のみならず、派遣社員や外部社員が実質的に現場の業務を回している職種では、これら社外の協力者との壁は致命的。現場からのアラートが上にあがらず、上にいけばいくほど現場の問題が見えなくなる。現場からの改善提案もされなくなる(改善する気概のある人は、ココロを殺して受け身になるか、やる気をなくして辞めるので)。
「管理職ごっこ」による壁は、あなたの組織の迅速な上下のコラボレーション、および健全な組織運営を阻害するのです。
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