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優秀な人が大量に辞めていく企業の共通点は? 「人材流出企業の覆面座談会」で明らかに:「滅びゆく会社」の特徴とは(6/6 ページ)
ただでさえ人手不足で人材を集めるのが難しいこの時代に、惜しげもなく優秀な人材を流出させてしまう企業では、いったい何が起こっているのか――。
人材流出より危険なのは……
――怖いのは、参加者の皆さんの会社が、表面上はヤバい会社には見えないことです。
営業 大きな危機に見舞われることなく、何とかやれてしまっている会社が一番ヤバいんですよね。変わらなければ、と真剣に思う機会がないから。
技術 そういう状態の会社だと経営層は、それなりに安定したキャッシュの上で、責任をとらされることもなく空理空論を言い続けるんですよね。下には「身を削ってやれ」と言うくせに。
人事 採用に困っているにもかかわらず、報酬を上げるのは許さない、ということもありますね。経営層がいつまでも自社を過大評価し続けて「当社なら、前職より年収を下げてでも入る価値はあるよね」くらいに思っている。そして、それが言葉の端々に出てしまっている。
技術 もはや「会社に過度な期待をしない」というのが最近の持論ですね。今は勉強会が盛んでコミュニティーも増えているから、外にメンターを持てる。意識して、社内の凝り固まった考えとは違うものに触れたほうがいいと思いますね。
広報 今は「個の時代」なのだから、自分が幸せじゃないところに居続けるのはやめたほうがいい。人を大切にしない会社は、どんどん人がいなくなることによって滅びていくんだと思いますよ。
人材流出企業の共通点
- 経営、管理職が現場感覚をなくしている
- 都合の悪い数字を隠す
- 仕事を質より量で評価する
- 人事が全能感を持ちすぎている
- 過度に「価値」より「金」が先
- 外の世界のことを知ろうとしない
- 手段が目的化している
- 人事制度が形だけのものになっている
- 上司と部下との間で情報の非対称性が高い
- 管理職が部下を信頼していない
- 人を大事にしない
【座談会企画・構成:後藤祥子(ITmedia ビジネスオンライン編集部)】
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