ビジネスの「謝罪」や「お祝い」に何を持参する? 百貨店のプロに聞いてみた:意外と悩ましい(3/5 ページ)
ビジネスの場で欠かせない手土産。「謝罪」や「お祝い」の場で注意すべき点はどこか? 多数の相談に応じてきた百貨店のプロに聞いてみた。
商品のパッケージで気を付ける点
和菓子と洋菓子の選択に迷った場合にはどうすべきか。加瀬さんは、カステラを勧めている。和菓子と洋菓子の中間にある存在というのがその理由だ。
ようかんのような条件を満たすものとしては、フルーツゼリーの詰め合わせや、最初から切り分けてあるタイプのカステラが挙げられる。いずれも、受け取った相手に保管に関する手間をかけさせにくいという特徴がある。
謝罪の際に注意すべきポイントは他にあるだろうか。加瀬さんによると、重要なポジションに就任する社員の年齢が低下していたり、実年齢と比べて嗜好が若くなっていたりする傾向があるという。一定以上の年齢層になると、洋菓子より和菓子を好む傾向が強まるが、この点も相手の嗜好を踏まえて判断したいところだ。
また、かつては重たくて大きいものが謝罪の場に持っていくモノとして選ばれる傾向があったが、加瀬さんは「現在はさりげなく添えるものが選ばれる傾向があります。あまり大げさにならないようにしましょう」とアドバイスする。
さまざまな事情を考慮して実際に購入する際、気になるのが“相場”だ。加瀬さんは「金額から入るのではなく、相手の気持ちに沿ったうえで、さりげないものを選んだ結果として、3000〜1万円におさまるくらいに考えたほうが良いでしょう」とアドバイスする。ただ、「大げさになりすぎない」ものを選ぶと、3000円や5000円程度に収まるケースが多いようだ。
1万円程度の詰め合わせセットという選択肢もあるが、どうしてもサイズが大きくなりすぎてしまう傾向がある。「予算は1万円で!」と要望するお客もいるが、その際には、単価が高くてボリューミーにならないような提案をしているという。例えば、名の通った老舗和菓子店の商品ならば、他店のものよりやや高額なケースが多いので、かさばりにくくなる。また、知名度があるので“相場感”も相手に伝わりやすい。
包装紙や箱のデザインについては、派手なものは避けるべきだ。なるべく大人しく、シンプルなパッケージが好ましいという。
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