ディスカバリーが無料動画配信「Dplay」を始める理由(2/2 ページ)
「ディスカバリーチャンネル」「アニマルプラネット」などで知られるディスカバリーが、自社コンテンツをネット上で無料配信する。欧州で提供しているサービス、Dplayを国内でも展開する格好だ。今後、広告モデルや有料配信のほか、プラットフォームとしての活用を目指す。
ネットでの取り組みを強化
CS(衛星放送)のイメージが強かったディスカバリーだが、実は数年前からネットへの取り組みを強化してきた。YouTubeチャンネルでは、2018年8月に編成を変更。フルエピソードの番組を視聴できるようにしている。チャンネル登録者は61万人を超え、毎月100万人から200万人が視聴しているという。
NTTドコモのdTVやアベマTVなどへもコンテンツを提供しているが、今回自社配信に踏み切ったのは、ビジネスプラットフォームへの活用を見越してだ。「放送事業とタイアップして、協同宣伝などを行う事業を立ち上げたい。閲覧データを分析して、よりよいサービスをユーザーに提供していきたい」とマクドナルド氏。
ただし現時点で、Dplay上に他社製作の映像コンテンツを載せることはない。「欧州では地上波のコンテンツやユーロスポーツのコンテンツも展開している。そういうことができたらいいが、現在のところそういう企画はない」
既存の動画配信サービスが競合という位置づけだが、中でも意識するのはNetflixやAmazonといった、映像コンテンツの自社製作に巨額投資を続けている企業だ。「コンテンツが一番大きい差別化。Netflix、Amazonの動きを見ても、コンテンツが中心になる。ディスカバリーは、パッションのあるジャンルの映像コンテンツを提供しているので、趣味に近いところ。そこがほかの映像サービスと違う」
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