若者の街・渋谷で、東急プラザが“大人向け”に注力するワケ:再開発ビルで復活(2/2 ページ)
東急不動産は12月5日、渋谷駅西口の再開発ビル「渋谷フクラス」内に「東急プラザ渋谷」をオープンする。建て替え前の顧客など、40代以上の“成熟した大人”がターゲット。ライフスタイル提案など、大人のニーズに合った店舗を展開する。
「ライフプラン」をサポートするフロアも
2〜8階のフロアには、「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」をキーワードとした店舗を集める。特徴的なのが、5階の「シブヤライフラウンジ」。ライフプラン構築をサポートする機能を持ったフロアとなる。人生設計に関する総合窓口、資産相談、旅行サービス、保険サービス、洋服やかばんの修理などを手掛ける店舗に加えて、ソフトバンクロボティクスが運営する、ロボットとの暮らしを体現したカフェ「Pepper PARLOR」が出店する。
施設のデザイン面でもターゲットを意識している。グランドフロアの2階には、建て替え前の東急プラザ渋谷で使われていた外壁の一部を再生して活用。昔の姿を思い出し、親しみを感じてもらえるような空間をつくるという。
サービス面では、ロイヤルカスタマー向けの特別プログラムも用意する。来館者数は年間500万〜600万人を想定しているという。岡田副社長は「(ターゲットを)単純に年齢で区切るわけではないが、あえて言うなら40代以上。渋谷には、(その年代が)落ち着いて買い物や食事ができる場所が少ない」と指摘。「進化してカムバックする東急プラザ渋谷に期待してほしい」と呼び掛けた。
渋谷では、東急電鉄、JR東日本、東京メトロが事業主体の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」の開業も11月1日に迫っており、大きな変化の局面を迎えている。そういった周辺の施設と東急プラザ渋谷の連携について、長尾康宏総支配人は「何かやっていこうという話は始めている。何らかの形で手を取り合って渋谷を発展させていきたい」と話す。若者を中心に多くの人を引き付けてきた渋谷は、これまで以上に多様な人と文化が集まる街になりそうだ。
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