プレ金の成功例? 岐阜の神社で5000人が行列をつくる理由:「金の御朱印」求めて(2/4 ページ)
毎月最終金曜日に「金の御朱印」を提供する取り組みが岐阜で盛況だ。神社やお寺に計5000人が訪れるという。最長で5時間待ちの行列ができたこともある。なぜ地域で「金の御朱印」に取り組んでいるのか。仕掛け人と、参加する寺に話を聞いた。
JR岐阜駅前の広場には、「岐阜」を命名し、本拠地としていた織田信長の黄金の像がある。また、“金”という名を持つ金神社には、黄金に塗られた大鳥居がある。そして、頂上に岐阜城が建つ「金華山」には、毎年5月ごろに黄色の花が咲くツブラジイの木が多く、“黄金に輝く山”として、その名前の由来になったという。
こういったことに着目したひとひとの会が、岐阜の「黄金」を巡る観光ツアーを企画。その一環として、金神社に「金の御朱印を書いてほしい」と話を持ち掛けたのが始まりだ。ツアーで提供した金の御朱印がSNSで話題になり、問い合わせが殺到。ツアーの後も、続けて取り組んでいくことになった。
ただ、常に金の御朱印を提供するわけでなく、“プレミア感”を出すために月1回限定に。17年2月に政府の呼びかけで始まったプレミアムフライデーにちなんで、「プレミアム金デー」と命名した。
当初はSNSなどで告知し、「1日100人ぐらいが来ていた」(佐藤さん)。月を追うごとにその人数は増えていき、金神社は対応するための分業体制や整理番号制を構築。受け入れる体制が整ったころに新聞やテレビに取り上げられ、一気に注目を浴びた。「新聞に載った後は県外から来る人も増えて、(1日)700〜800人に。テレビで取り上げられた後は、1500〜2000人が大行列をつくり、5時間待ちになりました」(同)。平日の昼とは思えないような盛況ぶりだったという。
佐藤さんらは岐阜信長神社(岐阜市)など他の神社や寺にも声をかけ、規模の拡大を目指した。金神社で参拝者が急増したことから、「やりたい」という声も上がるようになり、取り組みは広がっている。19年7月には、8カ所で計5300枚の金の御朱印を提供。8月には授与場所が10カ所に増えた。9月はさらに1カ所増え、11カ所になる。
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