2019年読まれた記事ランキング:池田直渡「週刊モータージャーナル」(7/7 ページ)
クルマ好きの間でよくいわれることのひとつに、「1989年は日本車のビンテージイヤー」という言葉がある。トヨタ・セルシオ、日産スカイラインGT-R、ユーノス・ロードスター、一年遅れだがホンダNSXがデビューした。ちょっとツブが落ちてもいいなら発売順に、スバル・レガシィ(BC/BF)、日産フェアレディZ(Z32)、トヨタMR2(SW22)、こちらも一年遅れなら日産プリメーラ(P10)もあった。後年評価されるとき、19年は89年に続く第2のビンテージイヤーとして記憶されるかもしれない。
さて、年末年始にあたって、いろいろ思うところがある。すでに書いたように日本車の新たなビンテージイヤーを迎え、おそらくは世界の中で日本車の評価が再び変わっていくであろうことがひとつ。
それからいよいよ始まるCAFEの2020年規制に向けて、メーカー各社の取り組みが変わっていくだろう点。おそらくこれについては当面ハイブリッドしか出口はなさそうだ。欧州メーカーはディーゼルの復権を狙ってくるかもしれない。クレジットという名前のCO2排出への実質的な罰金を見据えて、多分ここから数年は、規制値クリアが見えているトヨタを除く各社は、販売台数を調整せざるを得ないはずだ。
燃費の悪いクルマを売って、罰金をくらうくらいなら売らないという戦略も十分にあり得るくらい事態は厳しくなっている。
それから中国マーケットにかつてない異変が起きている。景気の著しい後退と、旧西側諸国との価値観の大きな対立。良くなる方向性が見えない。という状況は自動車産業に大きな影を落とすことになるだろう。これについては近々にもう少し詳細な記事を書くつもりでいる。
ということで本年最後の記事は終了である。一応の予定としては、元日と2日に2019年に乗って良かったクルマを2本続けて掲載するつもりでいる。
一年間のご愛読に感謝しつつ、読者の皆様のご健勝と良き新年を祈りつつ筆をおきたい。
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