アパレルから音楽まで、米国で加速するマスクビジネス 日本人が学べる“精神”とは:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
新型コロナ以前はマスクをつける習慣がなかった欧米で「マスクビジネス」が急速に拡大している。ファッションやスポーツのブランドのほか、音楽業界でも布マスクの販売によって寄付や自助につなげようとする動きが活発だ。日本も学ぶべきメンタリティがある。
新型コロナウイルスが世界的に広がり始めた当初、外国人にはマスクをつける習慣がないことが話題になった。
特に欧米の外国人から見れば、マスクをしているのは医療従事者または重病者という認識があり、街中でマスクをしている人は好奇の目で見られるという現実があった。もっと言うと、「(欧米の)大衆にはマスクに拒否反応がある」と書いていた英紙もあった。米国でアジア人がマスクをしていて襲われた事件すら起きている。
コロナ以前には、英国でマスクをして買い物をしていた日本人の団体観光客に恐怖を覚えた地元の買い物客が店員にクレームをつけたというニュースもあった。また海外メディアやYouTubeなどでも訪日外国人から「なぜ日本人はマスクで顔を覆うのか」と話題になっていた。
それが今では、米国やドイツ、フランスなど、マスク着用を義務付けている地域も増えている。つまり、世界的にもマスクがニューノーマル(新たな常態)になりそうだ。今後、経済活動が再開されていけば、公の場ではマスクを着用するよう求められるケースも増えるだろう。
ちなみにドナルド・トランプ大統領はいまだにマスクをしている姿を見せたことはないが、マスクをしないことが強いリーダーだと示すことになると思っているらしい。自分が媒介になるリスクには聞く耳を持たないようだが、「ただ単にオレンジ色の化粧が落ちるのがいやだからだろう」と指摘する声も。
そんなマスク事情だが、いま欧米ではマスクをめぐって新たな潮流が生まれつつあり、ビジネス面で盛り上がりを見せている。そして、そのたくましい動きを見ていると、そこには日本も見習うべきメンタリティがあることを痛感する。
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