アパレルから音楽まで、米国で加速するマスクビジネス 日本人が学べる“精神”とは:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
新型コロナ以前はマスクをつける習慣がなかった欧米で「マスクビジネス」が急速に拡大している。ファッションやスポーツのブランドのほか、音楽業界でも布マスクの販売によって寄付や自助につなげようとする動きが活発だ。日本も学ぶべきメンタリティがある。
人気ブランドが続々と「布マスク」販売
マスクのビジネスといえば、日本では品薄で混乱していたが、国外でもそれは同じだった。そこでGoogleやFacebookは当初、緊急事態で品薄になって値段が高騰し、マスクで搾取が起きるのを防ぐために、マスクの広告を禁止にしていた。その措置は少し後に緩和された。
すると4月になって、米疾病対策センター(CDC)が布マスクを自作するガイドラインを公開(関連リンク)。自分たちである程度は防御できると示したことで、ファッションやエンタメ、スポーツなどのブランドがマスクに目をつけた。そこからの動きは早かった。
米スポーツ用品大手のナイキや、米衣料チェーン大手ギャップが布マスクやシールドの製造に乗り出す。すでに売り切れで手に入りにくいが、いわゆるブランドの布マスクが幅広く製造されるようになり、そのセレクションがどんどん広がっているのだ。
例えば、ファッションブランドのバナナリパブリックは、カラフルな布マスク3色セットを29ドルで販売。しかも一つ売れるごとに10ドルを、食糧支援の非営利団体フィーディング・アメリカに寄付すると発表している。
さらに米アパレルブランドの多くが、洗濯して再使用できる布マスクを販売。日本では、安倍政権が洗濯して再利用できるという触れ込みの「アベノマスク」を466億円の予算を使って国民に配布すると発表したが、不良品も数多く報告され、感染者数が多い東京都心にすら、待てども待てども、一向にマスクが届かないありさまだ。
一方、米国では人気ブランドが布マスクを作って品薄にならないように迅速に動いていた。それらの布マスクはほとんどが医療用ではないが、ただ新型コロナウイルスの感染原因となる飛沫を防ぐのには「ノーガード」でいるよりも有効で、手洗いや消毒を併せて行えば、十分にウイルス対策になるだろう。また、マスクの内側に挿入するフィルターも売られている。
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