アパレルから音楽まで、米国で加速するマスクビジネス 日本人が学べる“精神”とは:世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)
新型コロナ以前はマスクをつける習慣がなかった欧米で「マスクビジネス」が急速に拡大している。ファッションやスポーツのブランドのほか、音楽業界でも布マスクの販売によって寄付や自助につなげようとする動きが活発だ。日本も学ぶべきメンタリティがある。
音楽業界はマスクでミュージシャンを支援
さらにこんな例もある。米レコード会社のユニバーサルミュージックは、「We've Got You Covered」というキャンペーンを始めている。
このキャンペーンでは、そうそうたるミュージシャンのロゴが入った布マスクを購入できる(関連リンク)。値段は15ドルで、ローリング・ストーンズやクイーン、ボブ・マーレー、2PAC、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、エアロスミス、ブラック・サバス、セックス・ピストルズ、パンテラなど多くのラインアップをそろえている。しかも、これからさらに多くのミュージシャンのマスクが登場するという。
日本では、多くのミュージシャンが“3密”を避けるために、コンサートなどを一切開催できなくなった。「ほとんど失業者状態だ」と、知り合いのミュージシャンが嘆いていたが、それは世界中同じである。そこで、ユニバーサルミュージックは、このマスクを販売することで、収益を音楽関係者への支援を行う米非営利団体のミュージケアーズや、英非営利団体のヘルプ・ミュージシャンズに寄付し、業界を支えようとしている。
アパレル業界も音楽業界も、寄付を行ったり、自分たちでなんとかダメージを軽減させようと独自で動いたりしている。そのメンタリティは見習うべきではないだろうか。
日本でも、例えば、いろいろな業界が知恵を絞って、第三者的に動ける業界団体や支援団体にお金を集め、自分たちを守っていく、といった対策を考えてみてはどうか。筆者は、別に海外が断然優れているとやみくもに言いたいわけではないが、もしかすると日本人は「お上」に期待しすぎているのかもしれないとは感じている。
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