テレワークで剥がれた“化けの皮” 日本企業は過大な「ツケ」を払うときが来た:働き方の「今」を知る(3/5 ページ)
テレワークで表面化した、マネジメント、紙とハンコ、コミュニケーションなどに関するさまざまな課題。しかしそれは、果たしてテレワークだけが悪いのか? 筆者は日本企業がなおざりにしてきた「ツケ」が顕在化しただけだと喝破する。
従業員がサボっているか心配!
サボる人は出勤していようが、テレワークであろうがサボる。「サボっているかどうか」という仕事の「プロセス」部分ばかりを気にするあまり、本来重視すべき仕事の「成果」の定義が曖昧で、測定も評価もできておらず、成果を出すことについて社員への動機付けや督励がないのではないことこそが、実は問題だ。そもそもサボっていても成果を出せていれば問題ないし、サボらず真面目に勤務時間をいっぱいまで使って仕事に精を出しても、最終的に成果を出せないならばそれは問題であるはず。こんな心配事は、「社員を信頼していない」と公言しているようなものだ。
【参考】話題の「社員PC監視ツール」がテレワークを骨抜きにしてしまう、根本的理由
社員を管理できない!
「サボり問題」と似たこの問題だが、「管理」ではなく「監視」をして安心したいだけではないのか、と問いたい。個々の社員の目標と進捗を把握し、目標達成に向けて現在の課題を洗い出し、その解決を上司がサポートすること。すなわち、部下が成果を出しやすい環境を整備することが本来あるべき管理の在り方であるはずだ。これはオンラインでも問題なくできるはずが、普段からそういった管理をやっていない職場だからこそ、テレワークになって顕在化したかのように見えるのである。
【参考】テレワーク中にサボっていないか、日本企業が従業員を熱心に監視してしまう理由
書類にハンコが要る!
社内文書であれば押印廃止もペーパーレス化もすぐに実現できるし、社外取引においても、「当事者間で合意した」という事実認定がなされれば契約成立するものなので、法的には契約書面がなくとも、口頭やメール、LINEのやりとりなど、何らかの形で合意が成立していさえすれば有効である。テレワークをすることになってあらためて問題視されている「紙とハンコ」だが、オフィスで仕事をしている場合でも決裁のスピードを遅滞させたり、書類の管理に手間がかかったりといった問題はそもそもあったはずだ。
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