鉄道会社の終電繰り上げは「必然」、これだけの理由:コロナ以前からの課題(3/4 ページ)
コロナ禍で利用者が減少し、鉄道各社の決算見通しが悪化している。10月下旬以降、各社が来春のダイヤを公表し始めたが、揃って「終電繰り上げ」を表明。原因として、コロナ禍による利用減少が浮かぶかもしれないが、実はそれはきっかけに過ぎない。鉄道業界では、以前から終電繰り上げが検討されていたのだ。
続く私鉄の終電見直し
小田急電鉄は11月4日に終電繰り上げを表明、西武鉄道は9日、東急電鉄は10日、京王電鉄は18日に相次いで終電繰り上げを表明した。理由は各社とも深夜時間帯の利用者減少と保線作業時間の確保で、JR東日本と同じだった。関西では京阪電気鉄道が5日に終電繰り上げを発表している。
各社とも事情は同じなのだろう。終電の繰り上げは、列車の接続を図る上でも、各社一斉に繰り上げないと、乗り換えができなくなるという不便もある。
特に京王電鉄はこれまで、都営新宿線と同時にダイヤ改正を行うことはあっても、他社と同日のダイヤ改正はあまり行っていない。その京王電鉄が、3月に他社などと合わせてダイヤ改正を行うと表明したのは異例のことだ。
さらに同社は、10月30日にダイヤ修正を行っており、22時以降の列車を減少、深夜帯の京王ライナーの運転を中止。代わりに18時台に京王ライナーの運行を開始している。
また来春のダイヤ改正の概要で、同社は京王八王子・橋本方面は、下りは15分から20分程度繰り上げ、上りは30分程度繰り上げると公表している。上り列車の繰り上げを行うと、都心に着いたとき接続する列車がないこともあるが、上りの繰り上げは、多くの場合あまりしっかりと伝えない。これをしっかりと明記するのは異例で、利用者を考えて注意喚起を行っていると言える。
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