「ドコモ除外、シャープ追加」の日経平均、指数への影響は?:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
日経平均からドコモが除外され代わりにシャープが追加となる。ドコモといえば、時価総額12兆円の超巨大企業であるが、シャープの時価総額は7500億円程度と、そのサイズは10分の1以下だ。ドコモを代替する銘柄として、シャープを組み込むことに悪影響はないのだろうか。
日本経済新聞社は、18日に子会社化に伴う上場廃止の可能性が高まったNTTドコモを日経平均株価指数の構成銘柄から除外し、新たにシャープを組み入れることを発表した。この変更は12月2日分から適用されることとなるが、市場では日経平均株価指数に組み入れられることを期待し、先回りでシャープ株を購入する動きがみられている。同社の株価は発表時から2割弱、株価を伸ばした。
NTTドコモといえば、時価総額12兆円の超巨大企業であるが、シャープの時価総額は7500億円程度と、そのサイズは10分の1以下だ。NTTドコモを代替する銘柄として、シャープを組み込むことに悪影響はないのだろうか。
株価指数の仕組み
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のような株価指数には、時価総額によって影響度が変化する「時価総額加重平均型」指数と、時価総額ではなく株価水準によって影響を受ける「株価平均型」指数の2種類がある。
近年のトレンドは、時価総額の大きさによって指数への影響を調整する時価総額加重平均型が主流となっている。株価水準のみで単純平均する株価平均型の指数は、時価総額(つまり、社会に対する影響度の高さ)にかかわらず指数へ反映されてしまう。発行株数によっていかにも操作することができる株価を基準とすることによる不都合が発生しないためにも、TOPIXやS&P500をはじめとした数多くの株価指数は「時価総額加重平均型」で運用されている。
しかし、ダウ平均株価や日経平均株価のような株価平均型の指数は、各国を代表する指数で人気が高いこともまた事実だ。これらの指数は、一般的に時価総額加重平均型指数と比較して組み入れ銘柄が少ないため運用コストが小さい。また、1つの銘柄が指数に及ぼす影響が大きいため、価格変動や指数のパフォーマンスの面で時価総額加重平均型よりも有利になりやすいという構造もある。
現に、日経平均株価は特にアベノミクス以降、TOPIXを上回るパフォーマンスを出しており、同時期の米国においてもダウ平均がS&P500のパフォーマンスを上回っている。
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