感染者最多の米国に「海外出張」 空港で実感した水際対策の違いとビジネス渡航の現状:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
新型コロナの感染者が最も多い米国に出張した。現地の入国では、新型コロナに関して緩い対応。一方、日本入国の際は多くの書類を渡され、一時隔離されて検査を受けた。訪問先の国によって対応も異なる。十分な情報収集と細心の注意があれば、ビジネス渡航は可能だ。
新型コロナウイルスの第三波が日本を覆いつつある。もともと多くの専門家が冬になれば感染はまた増えると警告していたが、それが現実になっていることで、例えば経済刺激策の「GoToトラベル」の運用見直しの議論が出るなど、国民の間にも混乱が広がっている。
これは何も日本だけの現象ではない。世界各地で感染者が増えており、多くの国が再び行動規制などの対策に乗り出している。
世界を見ても、特に感染者数が増加して深刻な状態になっている国の一つが米国だ。当初と違って、現在は症状があまりない人でも検査を受けられるようになったことも、感染者数増大の背景にはある。とはいえ、11月24日には1日で17万人以上の感染が判明し、2100人ほどが死亡。27日の時点で、これまで合計1288万人以上が感染し、26万2000人が死亡している。
ずっと感染者や死者数が世界でもトップクラスだった米国では、11月3日に大統領選が行われた。筆者はその3週間ほど前から米国に入り、首都ワシントンを中心に各地で取材を行った。そして大統領選が終わってからも取材をしばらく続けて、帰国した。
このコロナ禍で国を越えた旅が制限される中、日本から世界で最も感染者の多い米国に最近入国し、そこから日本に帰国した人はそう多くはない。また、ビジネスパーソンにとっても国際トラベルで何が起きているのかは気になるところだろう。そこで現在、海外への渡航はどんな様子なのか、また、日本の水際では何が起きているのかについてレポートしたいと思う。
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