感染者最多の米国に「海外出張」 空港で実感した水際対策の違いとビジネス渡航の現状:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
新型コロナの感染者が最も多い米国に出張した。現地の入国では、新型コロナに関して緩い対応。一方、日本入国の際は多くの書類を渡され、一時隔離されて検査を受けた。訪問先の国によって対応も異なる。十分な情報収集と細心の注意があれば、ビジネス渡航は可能だ。
米国への入国、新型コロナ質問はゼロ
米国行きの飛行機に乗ったのは、10月第3週のこと。当時から、米国では新型コロナで検疫体制の強化が行われ、入国条件の変更や制限措置などをとっていた。大使館のサイトによれば、基本的には観光目的では入国はできないし、入国後は自己隔離も勧められていた。
空港では、東南アジアからとみられる外国人たちが、日本の街中では見ないようなタイベック(防護服)や大きなマスクを着用している姿も見られた。免税店や空港内の店は多くがシャッターを下ろしている状態だった。
飛行機に乗り込んでまず気がついたのは、乗客数の少なさだ。航空会社側のソーシャルディスタンスという意識もあるらしいが、前後の列にも誰も座っておらず、いわゆるガラガラ状態だ。「機内の空気は3分ごとに完全に換気されますが、機内では常にマスク着用をお願いします」というアナウンスが流れる。ただそれ以外は食事などのサービスも通常通りで、普段と何ら変わらなかった。
米国入国に際してはいつも通りの税関申告書を記入するのみ。新型コロナに関する質問書類も何もないため、多少緊張感を持っていた筆者は、正直言って拍子抜けした。
いつも通りの飛行機の旅を終えて米国に到着。職員はみんなマスクを付けている。入国審査のゲートもやはり非常に空いていて人の姿は少ない。ただマスク着用とソーシャルディスタンスは守るようポスターなどがあちこちにある。また咳が出るなど体調が悪い人は報告するよう求めるメッセージボードもあった。
だが、人が少ないためにスムーズに入国審査のための入管職員ブースに向かうことができた。ブースでは、スキンヘッドでマスク姿の男性職員から次々と質問を受ける。「旅の目的は?」「どこに滞在するのか?」「帰りのチケットはあるか」などだ。最後まで新型コロナに関する質問はゼロで、こちらがたまらず質問した。
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