2015年7月27日以前の記事
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2020年のキャッシュレス業界 けん引したのは結局クレカ(4/5 ページ)

20年のデータが出そろっていない段階ではあるものの、18年以降にキャッシュレス決済比率を押し上げたのはクレジットカードの利用増にある。PayPayが100億円規模の大規模キャンペーンを立ち上げ、いわゆるキャンペーン合戦によるシェアの奪い合いが激増したが「一番利用が多いPayPayでさえ全キャッシュレス決済の1割にも満たない」という声を聞いている。

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 前述の「2025年までにキャッシュレス比率40%」を達成する文脈において、政府や関係者らの継続的な取り組みが重要と書いた。20年にかけてのポイント還元施策がキャッシュレス利用可能店舗を増やすことを主眼に置いていたとしたら、次のステップは利用者を増やすことにある。

 各社のキャッシュレス決済利用傾向データを見ると、日本におけるキャッシュレスの中心は30〜40代のビジネスマン世代で、この層が日本のキャッシュレス決済比率を支えている。一般に「高齢者ほどキャッシュレスと疎遠」という認識があるが、楽天EdyやWAONといった電子マネーサービスを提供する事業者にヒアリングしたところ、「地方では経済圏が固定されており、小銭の扱いを嫌がる高齢者を含め、地方ほどキャッシュレス利用が多い」という話を何度か聞いた。普段使いのスーパーが電子マネーやそれにひも付いたポイントプログラムを導入していれば、皆進んでキャッシュレスを利用するというわけだ。


沖縄ではサンエーなどの大手スーパーチェーンが楽天Edyを導入しており、利用者も非常に多い

 一方で、10〜20代の若年層や女性などを中心に、クレジットカードやプリペイドカードをあまり利用しない層が一定以上存在するという話も聞いている。「25年までにキャッシュレス比率40%」達成のカギの1つは、こうした層をキャッシュレスへと誘導する施策ではないかと考える。

 その1つは若年層での利用も多いVisa LINE Payのプリペイドカードだが、クレジットカードの中心が20代後半以降と考えれば、それ以下の層をカバーできるプリペイドやデビットカードの存在は重要となる。こうした層はスマホネイティブでもあり、モバイルアプリと物理カードを組み合わせて手軽で便利に利用できる仕組みを提供することが、キャッシュレス人口拡大、ひいては新しいビジネスチャンスにつながる。

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