2015年7月27日以前の記事
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御殿場市の「一見さんお断り」は、ビジネスとしてアリかナシか“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

静岡県御殿場市が新型コロナの感染を懸念する飲食店に配布した「一見さんお断り」のポスターが波紋を呼んでいる。首都圏からやって来る顧客を断る内容だが、こうした行動はビジネスとして妥当なのか。

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「一見さんお断り」は実施しないほうが……

 今回の場合、コロナ危機という特殊事情があるものの、多くの店は、これまで一見さんお断りではなく、1都3県からの訪問者を含む不特定多数の顧客を迎え入れていたはずだ。

 ほとんどの店が多数の顧客を受け入れることで収益が成り立っていると考えられるし、コロナ危機が終息すれば、再び他県からの顧客にも来店してもらう必要がある。純粋にビジネス的に考えた場合、他県からの顧客は拒否しないほうがよく、感染リスクが心配であれば、やはり一時休業といった措置を講じるのがベストな判断と言えるだろう。


他県からの顧客は拒否したほうがよいのか。行政の行動に疑問……

 加えて言うと、ここまで市中感染が広がっている状況では、仮に他県からの顧客を断ったとしても、身近な顧客の中からも感染者が出てくる可能性は否定できない。感染の初期段階で、かつ発生地域が限定的な感染症であれば話は別だが、ここまで感染が拡大した状態で、特定地域からの来店を拒否する合理性は低いだろう。

 もっとも、顧客が減って経営が苦しい中、状況をよく知っている馴染み客だけで何とか耐えしのぎたいのが現実だろうし、それはそれでやむを得ない部分もある。また県外から来た客の大部分は、多少、気分はよくないかもしれないが、それなりに納得するはずだ。

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