コロナ禍なのに、なぜ「起業」が世界で急増しているのか:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
新型コロナの影響が長引き、世界的に経済が低迷している。そんな中、小規模ビジネスを新たに立ち上げる動きが活発だ。米国やフランスなどで起業数が急増。コロナ禍の新たな需要を取り込もうとする動きも多い。これまでなかった発想のビジネスも生まれている。
欧州でも“コロナ禍の需要”を狙うビジネスが急増
実はフランスでも、コロナ禍で起業が増えている。フランスでは、20年10月に立ち上がったビジネスの数は8万4000件で、前年同月と比べると20%も増加している。しかもこの数は、史上最も多い数だという。
フランス政府は20年9月、コロナ禍にスタートアップが停滞しないように43億ドルを提供すると発表している。先を見据えた動きだといえる。近年、フランスはスタートアップがかなり盛り上がっていることから、その熱をコロナ禍で絶やさないようにしているということだろう。
また英国でも昨年の起業数は前年比で47%も増えている。英国の場合は、コロナ禍で需要が高まっているオンラインショッピングのサービスが前年から倍増しており、テークアウト専門の小さな食品販売などが増えているようだ。例えばケーキやパンなどを売るビジネスは77%も増加し、植物の種を売るビジネスなども75%増えている。
英企業情報サイトでは、コロナ禍で勢いに乗ったビジネスとして、「Oatsu」というオートミールのビジネスを紹介している。コロナ禍で運動不足になり、健康を見直す人が増えたそうで、日本の甘酒なども取り入れた商品をオンラインで販売している。
英フィナンシャルタイムズ紙によれば、「多くのビジネスが、ソーシャル・ディスタンスが必要だという世界の需要の変化に対応しようとしていて、物流や宅配、サービス業、テクノロジー、デジタルでの健康維持やフィットネスなどが盛んになっている」という。
意外にも、世界の先進国を見渡すとあちこちで起業しようとする人たちが増えているのが分かる。コロナ禍の不透明な社会にも負けないように動くその精神力には感心する。
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