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“見放され世代”を襲う、コロナ禍の非正規切り 今こそ直視すべき「人を育てる」意義:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
政府が就職氷河期世代への支援に取り組もうとする中で、新型コロナ感染拡大が起きた。非正規を中心に、多くの人が解雇されている。そんな中、NTTとKDDIは共同で氷河期世代の就労支援を実施すると発表。安心して能力開発ができる制度をさらに広げてほしい。
「結局、私たちは時代に翻弄され続ける。今は雇用調整助成金でなんとかなってますけど、いつ失業してもおかしくないと思います。元に戻ることはないですよ。たまたま生まれた時代が悪かったというだけで、就職でつまずいたツケがついてまわるんです。ストレートに“社会見放され世代”と呼ばれた方がマシです」
こう話すのは、就職氷河期世代の40代後半の女性です。女性は非正規雇用で会社を転々とし、2年前から今の会社で「前向きに正社員化を考える」という条件で、非正規雇用で雇われることになりました。
「氷河期世代の支援」に国を挙げて取り組むことが発表された時期だったこともあり、「やっと光が見えた」と、彼女は安堵したといいます。
ところが、コロナ禍で状況は一変してしまったのです。
国が遅きに失した感ありありの「氷河期世代支援」に乗り出したのは、2年前の2019年春のこと。同世代を「人生再設計第一世代」などとネーミングし、
- 就職氷河期世代は、本来であれば景気回復後に適切な就職機会が得られてしかるべきだったが、当時の労働市場環境の下では難しく、不安定就労を続けている
- この世代の人々が必要なスキルを得てキャリアアップし、正規化する仕組みをつくることは、いくつになっても充実した働き方ができる社会をつくる重要な第一歩だ
- 同世代を「人生再設計第一世代」とし、再チャレンジを支援する仕組みをつくる
- 就職氷河期世代の特性や採用側のニーズに即した就職支援や能力開発、採用企業への情報提供などを推進する
などと記された「たたき台」を公表。しかしながら、「人生再設計第一世代」という言葉に批判が殺到したのです。
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