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世界初! 人工合成タンパク質素材を開発した「Spiber」の今15年間の研究を経て量産へ(4/6 ページ)

山形県に拠点を置く、次世代バイオ素材を開発している「Spiber(スパイバー)」をご存じだろうか。同社が開発したブリュード・プロテインは、石油に頼らない循環型の新素材であることから、“素材革命”として世界中から注目を浴びているのだ。同社の取締役兼代表執行役に、今後の展望などを聞いた。

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手がけたコラボ商品は世界中から大反響

 同社は、これまでにTHE NORTH FACEを日本で展開するスポーツアパレルメーカーのゴールドウインや日本人として史上2人目のパリ・オートクチュール・ファッションウィークの公式ゲストデザイナーに選ばれた中里唯馬(なかざと・ゆいま)氏などとのコラボレーションアイテムを発表している。


2019年に発売された「THE NORTH FACE」とのコラボジャケット。販売価格は16万5000円(税込、写真提供:スパイバー)

 ブリュード・プロテインを使用した世界初となるアウトドアジャケット「MOON PARKA」は、50着の数量限定で日本国内のみで抽選販売したところ、準備数を大幅に上回る申込みがあり、諸外国からも発売を望む声が寄せられた。自然と美しく調和する未来のライフスタイルに寄り添うプロダクトをコンセプトに、裏地には宇宙空間に浮かぶ地球がデザインされている。


立体デザインが目を引くYUIMA NAKAZATOのコレクション(写真提供:スパイバー)

 ファッション分野のサステナビリティを追求する中里唯馬氏は、自身のブランド「YUIMA NAKAZATO」の2020初夏コレクションの全作品に、独自設計されたブリュード・プロテインを使用。同素材を用いて中里氏が開発した、立体的な動きをつくり出す造形技術 「バイオスモッキング(Biosmoking)」によって、個性際立つ美しさを表現した。

 「積極的にアパレル分野とのコラボレーションを進めているのは、将来的な普及を視野に入れたときにもっとも効率的だと考えるためです。産業規模が大きく環境負荷が高いアパレル分野で普及していけば、そのぶん市場のインパクトが増すし、地球環境にも貢献できます。理想的なのは、サステナブルであるとか関係なく、純粋に魅力的だという理由で購入してもらえること。結果的にそれが社会貢献への一番の近道だと思っています」(関山氏)

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