「エヴァ」コラボは3日でほぼ完売 コスメブランドが「コナン」や「ワンピース」とコラボするワケ:綾波レイの姿とシンクロ(2/3 ページ)
カネボウ化粧品が展開するコスメブランドの「KATE」は2月、「エヴァンゲリオン」とのコラボ商品を発売した。最近はこうしたアニメやゲームと化粧品のコラボは珍しくなくなってきている。
海外での作品認知度も大きな決め手に
KATEのコラボ相手であるエヴァンゲリオンも幅広いファン層を持つ。映画最新作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が3月8日に上映開始となるが、シリーズの初回は1995年に始まったテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」と、その歴史は30年以上になる。テレビアニメ時代のファンは既に中年で、その作風から男性ファンも多いアニメだが、なぜ若者女性をメインターゲットとするKATEのコラボ相手となったのか。
カネボウ化粧品を傘下に持つ花王の化粧品事業部門マステージビジネスグループKATE担当・若井麻衣氏によると「この商品は赤にベージュを重ねることで自在に色を作ることができるという口紅で、そこには『自分の色は、自分で決める』というメッセージが込められている。ブランドスローガン『NO MORE RULES.』を象徴する商品で、グローバルでの育成も目指している。その中でコラボ相手として、日本を代表するIP(Intellectual Property、知的財産)を100点ほどリストアップしていたところ、キャラクター綾波レイの姿がブランド哲学とシンクロした」のだという。
綾波レイは作品のヒロインであり、ストーリーの中で自我が芽生えていくキャラクター。自分の人生を自分で決める綾波の姿とブランド哲学が重なったのだ。
また作品ファン層については「事前にKATEの国内および上海のコアユーザー層である10代後半〜20代前半を調査したところ、6割は作品を認知しており、2割は作品ファンだった。これを機に作品の幅広いファンの方々にもブランドを知っていただきたいという思いもあった」そうだ。海外での認知が高いこともコラボ理由の1つとなった。
名探偵コナンも海外で人気が高く、そのことがコラボに至る大きな要因となった。「BEENOSグループは、海外販路への輸出入ビジネスが主力事業。これまでの海外販売の経験により、アニメコンテンツを起用したマーケティングはグローバル市場で有効と考えている。『名探偵コナン』は海外ファンが多いことも魅力だった」(BEENOS広報)
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