2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

「時短要請に応じたのに協力金が支給されない!」 東京都の支払い遅延に憤る外食企業協力金支給率たったの18.9%(3/3 ページ)

緊急事態宣言中に東京都からの時短要請に応じた飲食店への感染拡大防止協力金が「まだ支払われていない」と各所から悲鳴が上がっている。1店舗あたり1日6万円がが支払われることになっている。さらに、12月から1月にかけての営業時間短縮要請に対する協力金が支払われていない店舗もあるという。その結果、飲食店の資金繰りは厳しさを増していて、東京都内の繁華街では午後9時以降も営業する店が散見される状況だ。緊急事態宣言解除後の飲食店の現状と、協力金の支給の現状を取材した。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

「経営努力だけではもたない」

 東京都は新型コロナ対策の特別措置法の改正を受けて、緊急事態宣言中の営業時間短縮要請に従わなかった32店舗に対して、営業時間短縮命令を出した。3月29日には命令に従わなかった4店舗に対して、30万円以下の過料を科すための手続きを始めている。

 一方で、系列の26店舗に対して営業時間短縮命令を出したグローバルダイニングからは、命令は「違憲・違法」だとして3月22日に提訴された。グローバルダイニングは、東京都の要請に異を唱えたことに対する「狙い撃ち」の命令だとして東京都の命令の違法性を訴えているほか、「要請に応じていたら経営を維持できなかった」とも話している。

 32店舗に命令を出したものの、要請に従わなかった店舗は2000店舗以上ある。命令や過料に公平性があるといえるのだろうか。さらに、売り上げが減少することを覚悟して要請に従った店舗が、協力金の支払い遅延で苦境に陥るのは、行政として適切な対応といえるのだろうか。

 現在の営業時間短縮要請は、東京都では当面4月21日まで続くと見られている。午後9時までに営業時間を短縮することで、1日あたり4万円の協力金が支払われるものの、小規模で家賃が安く、1日の売り上げが数万円といった飲食店以外は、収支がプラスになることはないだろう。日本フードサービス協会では現在の状況を「企業努力や経営努力だけではもたなくなってきている」と分析している。

 東京都は「審査の人員を増強している」というものの、支給の遅れが解消する目処は立っていない。1月8日から2月7日までの協力金の支給が完了する時期については「何とも申し上げられない」と答えるのみ。要請に応えた飲食店を窮地に追い込んでいる状況を認識して、1日でも早く支給できるような対応が求められる。


グローバルダイニングの長谷川耕造社長と弁護団
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る