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TBSと地方局、「放送業界初」の狙いは? JNN系列地方局の約半数が東京支社をシェアオフィスに移転地方局のオフィス改革【前編】(2/5 ページ)

コロナ禍で企業の在宅勤務が進む中、港区赤坂に完成したシェアオフィスに、地方の放送局の東京支社が相次いで移転した。移転しているのはTBSをキー局とするニュースネットワークであるジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)系列の地方局。その狙いに迫った。

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移転を検討する上での課題

 JNN系列の1社が20年6月、東京支社をシェアオフィスに移転する方針を固めた。大分県内を放送エリアとする大分放送は、中央区築地にオフィスを構えていたが、入居していたビルの老朽化で、21年3月までの退去が決まっていた。19年頃からオフィスを探した結果、シェアオフィスが有力な候補にあがった。しかし、宮地寛哉東京支社長によると、最初は、シェアオフィスにすることは考えていなかったという。

 「働き方改革の機運が高まって、都内にシェアオフィスが増えていましたが、最初はこれまでと同じ単独のオフィスへの移転を考えていました。シェアオフィスに対しては、コロナ禍で感染が広がるリスクがあるのではないかとネガティブな印象も持っていました。ところが、20年4月の緊急事態宣言によって出社率を20%に抑えると、出社していないのに、これまでと同じ広さと機能を持ったオフィスが本当に必要なのかと疑問が出てきました。緊急事態宣言が出ていない時期も、出社率は50%に抑えたままです。

 それに、自前のオフィスだと消毒やパーテーションの設置なども全て自社で行う必要がありますが、シェアオフィスなら一定程度お任せできます。そもそも緊急事態など深刻な状況になれば、どちらも出社しづらいのは同じです。コロナ禍で単独の物件の見学ができなくなったこともあって、シェアオフィスが再度選択肢の一つに浮上しました」

 複数のシェアオフィスを検討した結果、候補にあがったのが、レンタルオフィス世界最大手の「リージャス」。都内46カ所にある「リージャス」のオフィスをサテライトオフィスとして無償で使えることも魅力だった。この時点では、赤坂以外のエリアへの移転を考えていたという。

 「これまでは出社か在宅かの2択しかなかった働き方にサテライトオフィスが加わることで、外回りの自由度が増しました。仮に支社で新型コロナが発生したとしても、接触の無かった者は、他のサテライトを使って業務を継続できると考えました」

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大分放送の宮地寛哉東京支社長
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大分放送のオフィスを訪れるTBSテレビの佐々木社長

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