ホリエモンが語る「裏切りへのリスクヘッジ」 信用とスピード感はトレードオフ:堀江流・経営者に必要な『やりきる力』(3/3 ページ)
宇宙事業や、過去の失敗エピソードを交えて経営者としてのメッセージを贈った近刊『やりきる力』(学研プラス)から堀江氏が考える「経営者に必要な能力」について語ってもらった。
自分を信じてさえいれば、人は決して折れない
そもそも、人に裏切られないための「絶対の方法」なんてないのだ。
他人の心は分からない。もし、あなたが裏切られたとしたら、そこに相手なりの都合と理屈があっただけのことだ。相手が考えることに、こちらから関わることはできない。裏切られたときの正しい対処法は、ひとつだけ。許すことだ。
人間の価値観は多様だ。年齢や環境によって微妙に変わってくる。かつては強固だった信用が、揺らいでくるようなこともあるだろう。
自分が勝手にその人を信じて関係をつないだのだから、いつか信用を傷つけられたとしても、許すしかない。その人の「裏の顔」を受け入れるのだ。人間関係は、そのぐらいがちょうどいいのではないか。
他人も自分も、変わり続ける。これは真実だと受け止めよう。仲間や友達の裏切りがつらいという人は、きっと他人に期待しすぎている。「あの人も自分も、決して変わらない」という思い込みを捨てれば、裏切られても、必要以上にがっかりしないものだ。
期待することのベクトルは、他者に向けてはいけない。僕はライブドア事件のとき、全てを失ったけれど、自分への期待だけは失わなかった。
僕が新しいことをやれば、それまでとはまったく違う景色へ飛び出して、まったく違う感動を得られるのだ――。そうやって、自分を信じていた。
他人は信じない。それは冷たい態度ではなく、自分を守る最低限のリスクヘッジだ。人間関係に振り回されて心が消耗している人は、他人と上手くやるための「コミュ力」なんかより、もっと自分への「期待力」を鍛えたほうがいいと思う。
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