売れすぎて入手困難に! なぜ無名ブランドの「ガトーショコラ」は人を魅了するのか:完売が続く(2/5 ページ)
2020年10月の発売以来、9カ月連続で完売状態が続いているガトーショコラの店がある。名古屋と東京に店を構える「THE chocola(ザ・ショコラ)」だ。オーナーシェフに、開発の経緯や企業戦略を聞いた。
「驚きの食感」を追い求めた、究極のガトーショコラ
ザ・ショコラの公式Webサイトには、「あなたの常識を覆す究極のガトーショコラ」とキャッチコピーが書かれている。食べる前から「どんな味なのだろう」と興味をそそられるが、同時に期待値がグッと上がり、良くも悪くも転びそうな印象を受ける。
実際に食べてみると、確かに期待を裏切られる感覚があった。
まず、フォークでうまくすくえないことに驚く。口に入れると、しっとりを通り越して、「溶ける」と形容したほうがフィットするような食感だ。カット後、撮影のため食べるまでにやや時間を要したせいで、室温で溶けてよりやわらかく感じたのかもしれない。この食感こそ、ザ・ショコラの最大の特徴であり、澤田氏が訴求したい魅力だ。
「半年間にわたって何百回の試作を重ね、ようやくできあがったのが現在のザ・ショコラです。可能な限り、あらゆる製法や原料を試したところ、食べたときに一番驚きが大きかったものを選びました。超微粒子のメレンゲが、チョコレートの雲を食べているようなシュワッとした食感を生み出しています」
3種類のカカオをブレンドしたオリジナルのチョコレートは、苦味と甘み、果実味のバランスが良く、やや大人向けのテイスト。ワインやシャンパンなどとも合いそうだ。
パッケージにもこだわりが見える。ギフトとしての利用を見込み、シックな黒のボックスにシルバーの泊をあしらい、高級感を演出している。
「ガトーショコラの概念をくつがえすような食感に感動し、誰かに贈りたくなるようなスイーツを目指しました。みなさんが想像する『おいしい』に寄り添うより、驚きが先にくるほうが誰かに伝えたくなるし、認知が広がるだろうと考えたんです」
商品名の頭に付けた「THE(ザ)」はブランド名を表し、「一番の」という意味を持つ。看板商品のザ・ショコラのほかに、「THE pudding(ザ・プディング)」(1個 3500円)も販売する(現在はオンラインと名古屋店のみ)。
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