売れすぎて入手困難に! なぜ無名ブランドの「ガトーショコラ」は人を魅了するのか:完売が続く(4/5 ページ)
2020年10月の発売以来、9カ月連続で完売状態が続いているガトーショコラの店がある。名古屋と東京に店を構える「THE chocola(ザ・ショコラ)」だ。オーナーシェフに、開発の経緯や企業戦略を聞いた。
リピーターは約20%。名古屋店は顔見知りばかり
あっという間に人気ブランドに仲間入りした「THE」だが、名古屋店の半年待ちを解消するための増産を見送り、澤田氏は慎重な姿勢を保っている。ほとんど人を雇わず少数精鋭の体制を貫き、店頭には澤田氏がほぼ一人で立ち続けているという。
「商品だけでなく、コミュニケーションでもお客さんを喜ばせたいと思っていて、それが私の最大のモチベーションです。スイーツの分野にキャリアを寄せたのも、『料理よりスイーツのほうが喜んでもらいやすい』から。接客でもその方針を貫きたいので、ブランドの人気が強固になるまでは私が一人で接客を続けるつもりです」
ザ・ショコラを販売する店舗「THE LAB(ザ・ラボ)」では、足を運んだ顧客に対して、無料のチャイラテを配っている。これも、「顧客に感動を与えたい」という澤田氏の思いの現れだ。
「カルディが無料提供しているコーヒーに感銘を受けて、チャイラテの無料提供を始めました。店舗前に列ができてしまうこともあるので、何か飲み物があったら良いかなという思いもあって。このチャイラテも評判が良くて、近いうちに店頭展開する予定です」
接客では、持ち前のフレンドリーな性格を生かして顧客と良い関係を築いているようだ。
「自信のある商品なので、しっかり魅力を伝えたいし、まず接客で相手の心をつかみたいと思っています。一人で店頭に立ち続けたおかげなのか、名古屋店はリピーターさんばっかり。オンラインでは約20%のリピーター率です」
「昔からずっと接客が得意だった」という澤田氏は、SNSとリアルなコミュニケーションをかけ合わせ、ファンの支持を得ているようだ。だからこそ、発売9カ月目の今でも変わらぬ人気を誇っているのだろう。
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