これまでになかった「箱型の授乳室」が、じわじわ増えている秘密:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
ショッピングセンターなどで、木製の箱を目にすることはないだろうか。高さは2メートル、幅は1メートル80センチもあって、壁面には哺乳瓶のイラストが描かれている。これは箱型の授乳室で、2〜3年ほど前からじわじわ増えているのだ。その背景に何があるのかというと……。
設置台数が増えた背景
6カ月ほどたって、とある商業施設が採用した。そこでの利用者が多かったこともあって、「じゃあ、当社でも」「ウチも、ウチも」といった具合に、設置台数がどんどん増えていくことに。20年4月に緊急事態宣言が発出されたことを受け、その勢いはやや落ち着くものの、秋ごろになると再び上昇気流に乗った。
こうした経緯があって、商業施設などで箱型の授乳室を目にする機会が増えたわけだが、設置台数が増えている要因はどこにあるのだろうか。この質問に対し、長谷川さんは「導線を変えたことが大きい」と見ている。
既存の多くの授乳室は、子ども服売り場などの近くに設置されている。しかし、商業施設によっては、最上階の奥のほうにあって「利用したいなあ」と思っても、移動に時間がかかってしまうことがあるのだ。
なぜ、そうした場所に設置しているのかというと、施設運営側は「坪いくら?」の商売をしているから。人気店をたくさん集めて、そこにたくさんのお客を集めたい。しかし、授乳室は「人気」や「売り上げ」といった指標で測れるものではない。ということもあって、どうしても“一等地”に設置するケースが少ないのだ。
しかし、ママロは効果を検証することできる。例えば、人通りが少ないトイレの近くに設置したところ、利用者が想定よりも少なかった。なんとかしなければいけないということで、フードコートの近くに移動させたところ、5〜6倍に増えた。こうした事例がどんどん出てきたのだ。
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