2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/6 ページ)
2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。
万博をきっかけに鉄道整備が進む
「2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)に関連するインフラ整備計画(案)」は、広範囲に交通網整備にも触れられている。その中には万博開催に間に合わない案件もある。それは万博をきっかけに大阪の来訪者が増える、IRの誘致が決定するなど、大阪の可能性を引き出すための伸び代づくりといえそうだ。
会場へのアクセスルート向上として「北大阪急行の延伸」が示されている。北大阪急行は大阪メトロ御堂筋線の江坂と千里中央を結ぶ南北線を運行しており、御堂筋線と相互直通直通運転をしている。前述の通り、70年の大阪万博に向けて開業した。万国博会場口駅へ直通する支線があって、万博期間中の収入で建設費を償還した。
この路線が再び注目されている。箕面市の働きかけで、箕面萱野駅まで2.5キロメートルを延伸する。工事も進んでおり、23年度開業予定だ。万博に間に合う。北大阪と万博会場のアクセス改善、並行する新御堂筋のマイカー減少を狙う。このほか、大阪メトロ、JR西日本、民鉄の主要駅をバリアフリー化、ホームドアなどの整備、大阪駅前地下道東広場を防災・減災対策空間として整備する。
万博には間に合わない計画も「広域的な交通インフラの整備」として示された。
大阪モノレールの門真市〜瓜生堂間延伸は29年度開業予定だ。もともと大阪市周辺部の環状線として建設され、大阪都心から放射状に延びる路線を結び、周辺都市間を移動しやすく、都心を通らずに伊丹空港へアクセスできる路線だった。
31年度開業予定の「なにわ筋線」は、大阪(北梅田)と新今宮を結び、JR西日本と南海電鉄が乗り入れる。JR西日本はJR難波から関西本線、阪和線方面と直通できる。南海電鉄は大阪発着で関空へ向けて特急を運行できる。大阪〜関西国際空港間は、現在の所要時間60分から40分に短縮される予定だ。
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