スーパーでよく聞く「ポポーポポポポ」の“ミニ”が完売! 開発秘話を担当者に聞いた:3分インタビュー(2/3 ページ)
スーパーで「ポポーポポポポ」のメロディーをよく耳にする。あの音を流しているのは「呼び込み君」というアイテムで、群馬電機が開発している。このたび「呼び込み君」のミニトイが登場して、予約数が殺到しているのだ。開発を手掛けた青島文化教材社の担当者に、裏話などを聞いたところ……。
予約注文が殺到
――商品開発にあたって、こだわったポイントを教えてください。
金田: 実物の高さは20センチに対して、ミニトイは5.3センチ。小さくしても、実物と変わらないほどのかわいらしさを出さなければいけません。試作品をつくって、何度も形状を修正しました。
そんな中で、最もこだわったのは音。「ポポーポポポポ」の音が不自然であれば、ユーザーは納得してくれません。「物足りないなあ」と思われないために、どうすればいいのか。実物の「呼び込み君」は長時間流せるように、メロディーをループさせているんですよね。延々と終わらない形にしているわけですが、ミニトイで同じようなことをしてもメリハリを感じにくくなるのではないかと考えました。
「くどいなあ。もういいよ」と思われないように、音は何秒くらい流せばいいのか。いろいろと検討した結果、20秒ほどが適正ではないかという話になって、中央のボタンを押すと20秒ほどメロディーが鳴るように設計しました。
――商品は10月18日に発表して、SNS上でものすごく話題になりました。消費者の反応をどのように受け止めましたか?
金田: 2021年5月にホビーショーが開催されまして、そこで「呼び込み君」ミニを発表しました。そのときも反響が大きかったので、今回もそこそこウケるのではないかと思っていました。ただ、反応が気になって気になって、SNSのコメントを何度も読み返しました。ものすごい勢いで拡散されていって、リツイート数が1万を超えたときには、社内でも騒然としました。
商品発表と同じタイミングで、予約受付を始めたのですが、リツイート数が増えていくスピードと連動するように、注文もどんどん増えていきまして。翌日、緊急会議を開きまして「このまま注文が増えていけば、どうすればいいのか」「増産はできるのか」など、さまざまなことを議論しました。
その一方で、不安もありました。こうした商品は“ネタ扱い”されて、売り上げはいまひとつといったケースがあるんですよね。SNS上で落ち着きがでてくると、予約数も減るのではないか。このような事態も考えていたのですが、その後も衰えることなく、注文数はどんどん増えていきました。このまま受け付けると、お客さまに提供することができなくなるのではないか。想定を上回る反響が続いて、残念ながら21日の昼過ぎに予約受付を一旦中止することにしました。
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