どこでもドアならぬ、どこでも窓「アトモフウィンドウ」が昨対比4倍で売れているワケ:未来のインタフェース(4/6 ページ)
コロナ禍で約4倍に販売数を伸ばしているという、世界とつながる窓「アトモフウィンドウ2」。独自に撮影した世界各国の映像動画を写すことができる窓は、どこでもドアならぬ、「どこでも窓」のよう。コロナ禍での需要増や事業戦略を聞いた。
4年かけて実現した世界のトッププレイヤーとの提携
14年に創業し、社員20人ほどのスタートアップでありながら、世界的な大企業との提携を実現している事実も見逃せない。20年9月にはディズニー専用モデル「アトモフウィンドウ2/ディズニー」、21年2月には映画『スター・ウォーズ』の専用モデル「アトモフウィンドウ2/スター・ウォーズ」を発売した。
現在、ディズニーモデルとスター・ウォーズモデルには各3本の映像が収録されており、これは各モデル限定の映像となる。映像は今後も増え続ける予定で、1本単位で追加購入できる。
この提携の目的について、姜氏は「ファンタジーの世界の風景を届けたかった」と話す。
「当社が最初に提携したのはJAXA(ジャクサ)で、アトモフウィンドウでは、同社が撮影した宇宙の映像を見ることが可能です。ただ、撮影ができないファンタジーの風景も魅力的で、ファンが多い。世界のエンタメプレイヤーと組むことで、新たな価値を創出したいと考えました」
創業10年に満たない20人規模のスタートアップがディズニーやスター・ウォーズとライセンス契約を締結するのは異例だが、他に類を見ないプロダクトであったこと、互いのビジョンがクロスしていたことで提携が実現化したようだ。ただし、世界最高レベルを求める彼らの監修の厳しさは並大抵ではなかったという。
「これらの商品は、各社の監修の元、当社がCGを制作しているのですが、つくってはやり直す工程が4年間も続きました。最初から4年かかると分かっていたら、ビジネス的には厳しいので、あきらめていたかもしれない。ただ、つくり始めたからには何としても実現させたくて、このタフなマインドがあったから成功できたのかもしれません」
反響は上々のようで、ディズニーモデルは初回生産の400台が2カ月で完売。作品を愛するファンにとっては、たまらない製品なのかもしれない。これらの事業は、アトモフの知名度向上やブランディングにも大きく貢献しているはずだ。
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