どこでもドアならぬ、どこでも窓「アトモフウィンドウ」が昨対比4倍で売れているワケ:未来のインタフェース(5/6 ページ)
コロナ禍で約4倍に販売数を伸ばしているという、世界とつながる窓「アトモフウィンドウ2」。独自に撮影した世界各国の映像動画を写すことができる窓は、どこでもドアならぬ、「どこでも窓」のよう。コロナ禍での需要増や事業戦略を聞いた。
PRコンテンツとしても期待
15年の発売から、旅行好き、在宅勤務の人々を中心に人気を広げてきたアトモフウィンドウは、コロナ禍で販売数が急上昇。20年度(20年10月〜21年9月)の販売台数は、昨対比で約4倍となった。
「リモートワークの普及により、自宅の環境をアップデートしたいと思う人が増えたこと、気軽に旅行に行けなくなったことから、ストレス緩和やリフレッシュを目的に購入いただいているようです。僕らは風景動画を通じて、その国・地域の土地柄、文化を知ってもらい、旅行者が増えることを目指しています。まず、地域の存在を知ることが重要で、次に興味を持って現地を訪れ、その地とのつながりをつくる。このような流れが、いずれ世界平和にもつながるのではないかと思っています」
コロナ禍における「孤独感」の解消を目指して、21年9月から室内の映像を提供する試みも開始。カフェのカウンターでオーナーがコーヒーを淹(い)れている映像や織物をつくっている職人の映像などがあり、よく見られているそうだ。
「大自然や絶景は心地よさをもたらすものの、人気(ひとけ)のない映像にひたりすぎると孤独感に陥ることも。この窓の向こうに誰かがいるというのを感じてもらいたくて、室内映像シリーズを始めました」
映像で使われている京都のカフェに実際に足を運んだユーザーもおり、一定のPR効果が見込まれる。そのため、いずれはPRコンテンツとして撮影先から料金を徴収することも想定しているという。
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