2015年7月27日以前の記事
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車検制度はオーバークオリティー? 不正も発覚した日本の車検の意義高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

自動車メーカーが、生産工場からの出荷時に行う完成検査で不正をしていたことが明らかになったのは2017年のことだった。そして今年は、自動車ディーラーでのスピード車検で不正があった。日本の乗用車に関する法整備は昭和26年(1951年)に制定された道路交通法、道路運送車両法によって始まっている。その中には幾度も改正されている条項もあるが、全てが実情に見合っているとは言い難い。

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車検制度の目的の1つは納税であるという背景

 クルマを購入した時にもかかる諸費用と同じく、車検時にも諸費用がかかる。その内訳は法定費用と呼ばれる、公的な費用が大部分を占める。自賠責保険と重量税、検査手数料というものだが、この費用以外にも車検時には自動車税の納付確認という項目がある。

 この自動車税と重量税の確保も、車検制度の大きな目的となっている。税収は国家にとって重要なものの、相変わらずクルマに依存している姿勢も問題だ。そして、いつまでも車検にひも付けているシステムの古さを何とかすべきだろう。

 クルマの所有をマイナンバーとひも付ければ、こんな課題は即座に解決するハズだ。マイナンバーカードの普及に税金を投入するくらいなら、マイナンバーの活用を進める方が先決なのではないか。

 自賠責保険だけでなく、任意保険とも呼ばれる自動車保険への加入を促進させるなど、車検制度を利用してより高い交通の安全、安心に結び付ける新しいシステムが必要だろう。

 筆者は長年、ユーザー車検を利用している。陸運支局など現場の効率化は目に見えて伝わってくる一方で、無車検や無保険の車両を解消させる仕組み作りには、今一つ実効性(自分が無車検ではないから感じない、ということもあるとは思うが)を感じさせないのが、残念だ。

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