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未上場株の取引市場、ファンディーノマーケット始動 二次流通で市場拡大金融ディスラプション(2/2 ページ)

株式投資型クラウドファンディング「ファンディーノ」を運営する日本クラウドキャピタルは12月8日、未上場企業の株式を個人投資家が自由に売買できる取引市場「ファンディーノマーケット」をスタートさせた。未上場株式をオンラインで売買できるサービスは国内で初めて。

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二次流通市場の存在が市場を拡大

 未上場株の取り引きが可能になると、どんなメリットがあるのか。森・濱田松本法律事務所でフィンテック領域に詳しい増島雅和弁護士は、フリマサービス大手のメルカリを例に、次のように話した。

 「メルカリで売買が可能になったことで、『売れるから買う』という人が出てきた。同じことが株式にもいえる。また、売買によって価格がつく。つまり市場があることで時価総額が上がっていく」

 これまで投資家にとっては、未上場企業への投資はIPOやM&Aなどのエグジットがあるまで換金できないことが参加のハードルになっていた。途中で売却できる市場が登場したことで、投資家が参加しやすくなるだけでなく、これによって企業の時価総額の増加も期待できる。

 未上場企業にとっても、資金調達の場が広がる。ファンディーノでは、これまで1社あたり年間1億円までしか調達できないという制度上の制限があった。ファンディーノマーケットの次の構想としては、私募を発行する仕組みを2022年に提供予定だ。

 広く一般に投資を募る公募とは違い、私募では50人未満の少人数の投資家に限定して投資を募る。これまで個人投資家だけを対象としてきたが、私募では法人にも門戸を開き、1口あたり数千万円規模の資金調達を可能にする狙いだ。

 今回のファンディーノマーケットでは「株主コミュニティ」という制度を使いサービスを提供するが、気配値の提示や板取引ができず、取引には数日かかるという制限がある。将来的には、株式をブロックチェーン上でトークン化する仕組みを使い、即時売買可能な市場の構築にも関心を寄せる。柴原氏は、「法制度さえ整えば、技術的にはいつでもできる」と話し、この分野の発展に期待した。


上場株式取引所とファンディーノマーケットの違い
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