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これが“真の5G”? 携帯電話キャリアが始めた「5G SA」とは房野麻子の「モバイルチェック」(2/3 ページ)

2月21日、KDDIは法人向けに「5G SA」の商用提供を開始したと発表した。「5G SA」の「SA」は「Stand Alone(スタンドアロン)」を意味する。5G SAは、無線通信からコアネットワーク(認証やデータパケットの転送経路の設定、移動制御などの機能を持つ設備)まで、すべての基地局設備が5G専用に開発されたもので提供する。

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5G SAのキー技術「ネットワークスライシング」

 5Gならではの機能を実現する技術として注目されているのが「ネットワークスライシング」だ。ネットワークスライシグとは、仮想的にネットワークを分割(スライス)することで、用途やニーズに合わせた複数のネットワークを1つのネットワークで提供する技術のこと。

 スマホ向けには高速大容量なネットワーク、自動車向けに低遅延なネットワーク、IoT端末向けには通信速度は出なくても多数を収容できるネットワークといったように、ネットワークスライシングによってタイプの異なるネットワークを独立させ、同時に提供できるようになる。


ネットワークを仮想的に分割し、用途に合ったネットワークを提供できる「ネットワークスライシング」

 AbemaTVに提供したKDDIの5G SA回線も、ネットワークスライシングにより中継用の通信を分離することで、他の通信に影響を受けない、安定した映像伝送ができたという。サイバーエージェントのスタジオ設備担当、増田雄亮氏は「通常時は通信遅延などが原因で配信障害が発生することがあったが、5G SAのネットワークスライシングにより回線負荷の高い状態でも安定的に配信できることが実証できた」「通常スライスと中継用スライスとの間で大きな差があった」と話した。


ABEMAの中継で提供されたネットワークの構成。配信側が5G SAに対応した端末を通じて生中継した

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