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並行在来線会社名「ハピラインふくい」 未来に“福”はやって来るのか杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/8 ページ)

2022年、日本の鉄道は開業150周年を迎える。長い歴史ゆえに保守的な考え方に支配されやすい。しかし第三セクター鉄道会社は「道南いさりび鉄道」「IGRいわて銀河鉄道」など、保守的な考えを破ってきた。そして22年7月、新たなキラキラネーム会社が誕生する。「株式会社ハピラインふくい」、愛称「ハピライン」だ。

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 同社に確認したところ、路線名が「ハピライン」になるとは限らないようだ。福井県並行在来線準備株式会社が公募した案件は「会社名」である。「ハピライン」は会社の愛称であり、「路線名」はまだ決めていないとのことだった。

 もし路線名が「ハピライン」だけになると、不祥事というより、地域性が薄くて問題だ。福井県の人々はハッピーかもしれないけれど、県外の人々に「ハピライン」といっても、どこを走っているか分からない。

 せめて路線名は「ハピラインふくい」「ふくいハピライン」にしたほうがいい。「道南いさりび鉄道」や「肥薩おれんじ鉄道」は会社名だけで位置が分かる。「日本海ひすいライン」「妙高はねうまライン」も地域名があるから路線の場所が分かる。路線名は地域に紐(ひも)付けられた名前があるべきだ。

 「ハピラインふくい」は既存の福井鉄道との差別化でもある。福井や鉄道を使うと紛らわしい。似たような事例は「ゆりかもめ」だ。遠方から訪れる人に「お台場までゆりかもめに乗って行くんだよ」なんていったら、どんなファンタジー世界だと思うかもしれない。

 ただし正式名称は「東京臨海交通臨海線」で、ゆりかもめは「あと付けの愛称」である。路線名が近隣の「東京臨海高速鉄道りんかい線」と紛らわしいから「ゆりかもめ」の愛称が支持された。自然に定着したというより、「ゆりかもめ」といわないと困るから使われた。「ハピラインふくい」くらい奇抜にしないと区別しにくいかもしれない。


「ハピラインふくい」の運行路線は、現JR西日本北陸線だ。(出典:福井県並行在来線準備株式会社、福井県並行在来線経営計画

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