東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?:東京が変わる(2/4 ページ)
東京メトロ有楽町線と南北線の延伸が決定した。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、東京メトロが計画する今後の戦略とは。
30年代半ばの開業で具体的にどう変わるか
有楽町線の豊洲〜住吉間の延伸は、4.8キロ。豊洲で新木場へ向かう有楽町線と枝分かれし、東陽町で東西線と連絡、半蔵門線の住吉へと接続する。30年代半ばに開業する予定となっている。
臨海地域と23区東部の観光拠点などのアクセス利便性が向上するだけでなく、この路線により江東区内を南北に移動する軸ができ、地域のまちづくりの面で効果が期待できる。また、東西線の乗客を東陽町で乗り換えさせることで、混雑を緩和する役割も果たす。
南北線の白金高輪〜品川間の延伸は、2.5キロ。この2駅間を結ぶのみで、30年代半ばに開業予定だ。
たったこれだけの延伸かと思われるが、かなり大きな役割を果たす。品川駅で山手線や上野東京ラインなどJR東日本の主要幹線やJR東海の東海道新幹線と接続し、羽田空港に向かう京浜急行電鉄とも接続する。
南北線は、六本木や赤坂などの都心部を走っており、白金高輪では都営地下鉄三田線とも接続する。都営三田線は大手町や日比谷などを走る。これらのエリアと品川駅とのアクセス利便性も向上する。
品川駅は、27年開業は困難となったものの、近い将来開業するリニア中央新幹線の始発駅となる。この路線が完成することで、品川駅のターミナルとしての役割がより一層強くなっていくのだ。
これらの施策は、「さらなる安全・安心の提供と鉄道事業の進化による東京の多様な魅力と価値の向上」という東京メトロの経営方針のもとに行われる。新しい路線をつくることで、東京の魅力を向上させ、便利で豊かな街にしていく。
東京メトロは新線建設を通じて街づくりをし、巨大都市東京を世界に躍進させていくために力を注いでいくと、「東京メトロプラン2024」で示している。
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