コラム
東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?:東京が変わる(3/4 ページ)
東京メトロ有楽町線と南北線の延伸が決定した。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、東京メトロが計画する今後の戦略とは。
東京メトロの「街づくり」とは?
東京メトロは日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅を整備することで、このエリアをよりよい生活環境を備えた国際的なビジネス・交流拠点、交通結節点とすることにした。隣接する再開発ビルと協力し、再開発広場と接続し「まちと一体となった駅」を目指している。
日本では、鉄道会社が不動産や都市開発とも深くかかわっていくことはよくある。東京メトロも例外ではない。
「都市・生活創造事業の成長等により東京に集う1人1人の活き活きとした毎日に貢献」という方針を立て、さまざまな不動産事業を計画している。新宿駅西口地区の再開発や、赤坂エリアの再開発、日本橋エリアの再開発などを行い、既存路線でも街づくりを強める方針だ。
そんな中、地域との連携や「メトポ」というポイントサービスにより、東京の魅力を高め、さらに多くの人に出かけてもらう機会を作り出そうとしている。そのために公式アプリ「東京メトロmy!アプリ」でMaaS(Mobility as a Service)を推進し、各種サービス事業者とも連携する。
不動産や流通事業だけではなく、そこに鉄道のメイン事業である人々の移動も加えることで東京の魅力と価値を向上させ、人々の日常生活にも貢献しようとするのが「東京メトロプラン2024」で示している経営戦略である。
もちろん、有楽町線や南北線が延伸されるのはその先である。東京メトロは都市内の回遊性を高め、人々が移動する習慣をより一層強化することで、新線の価値を向上させたい考えだ。
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