コラム
国鉄最後のSLから40年以上、成功している「SL運行」の共通点は:「地理的条件」が重要(2/4 ページ)
多くの鉄道会社がSLを運行する中、成功しているSL運行に共通していることとは。苦難を乗り越えながら持続している車両を見てみると……。
JR北海道の困難
観光列車で人を集めることは、地方の鉄道事業者ではよくある施策の1つである。JR北海道もそうだ。JR北海道では現在、75年に廃車となり保存されていた「C11-171号機」を使用した「SL冬の湿原号」を運行している。運行区間は釧路〜標茶(しべちゃ)間だ。
JR北海道は以前、ニセコ方面や函館方面でもSLを運行し、2両体制を維持していた。だが函館方面は北海道新幹線の準備の関係や、安全装置の設置困難などの理由で存続が不可能に。さらにJR北海道の経営状況は厳しく、車両を東武鉄道に貸し出すことにした。
真岡鐡道の場合は、SL列車に乗ってくれるにしても、その地域までのアクセスを他社に頼らざるを得ない問題があった。JR北海道の場合は、そもそもSL列車が運行する場所が、大都市である札幌圏から大きく離れている状況にあった。
人が来るにも自社鉄道を使用してのアクセスが困難だったり、そもそも気軽にアクセスできなかったり。SLの運行にはさまざまな難点があった。
その難点が解消され、ある程度企業体力がある会社のSL運行が、現在うまくいっているという状況である。
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