2015年7月27日以前の記事
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ワイヤレススピーカーでアップルに圧勝、知られざる「ソノス」の実力本田雅一の時事想々(2/7 ページ)

日本では無名な米オーディオメーカーの「ソノス」。ユニークなワイヤレススピーカーで急成長し、IT業界の巨人も一目置く存在になった企業だ。なぜ、ソノスは急成長したのか。商品の持つ強みとは。現地で新商品を取材したITジャーナリストの本田雅一氏が解説する。

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 映像作品の再生時に感心したのは、サラウンド音声を入力した際の仮想音場がよくできていることもあるが、一番は“セリフ”の質感。男性から女性まで、あらゆる人の声が明瞭に、しかもフォーカス感も抜群に聞こえてくる。


Sonos RAYの活用イメージ

 そうかと思えば、音楽の表現も的確だ。ソノスの製品は、どれもスマホやタブレットなどの助けを借りることなく音楽ストリーミングサービスに直接アクセスし、音楽を楽しめる設計だ。テレビ向けとはいえ、音楽再生能力はとても重要だ。Sonos RAYはアコースティックなアレンジのボーカル曲も、現代的なEDM系の楽曲も、実に楽しく音楽性の高い音で聴かせてくれる。

 ソノスの音質を管理する“サウンド・エキスペリエンス リーダー”というポジションにいるジャイルズ・マーティン氏は「特別な味付けを行っているわけではない。しかし、オーディオのエンジニアが狙う味付けが、きちんとリスナーに届けるよう製品を作っている」という。


ジャイルズ・マーティン氏(ソノス、サウンド・エキスペリエンス リーダー)

 英国生まれのマーティン氏は、父親がビートルズのレコーディングエンジニアという環境で育ち、自身もポールマッカートニー、ジェフベック、エルビスコステロといった著名な英国出身ミュージシャンのプロデュースやミキシングを担当し、マーティンスコセッシやマシューボーン、ロンハワードといった監督が制作した映画の音響制作に関わった。

 彼の役割はソノスのエンジニアと協業しながら、“オーディオによる体験”を高めることだ。映像作品ももちろんあるが、より簡単にいうならば”音楽性を引き出す”製品づくりをする役割と言えるだろう。

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