紙の回数券はネット予約でどう変わったのか 鉄道会社の狙い:新幹線の回数券は高かった(2/4 ページ)
回数券に代わるサービスとして、ネット予約やチケットレスサービスが普及している。さらにポイントサービスなどを組み合わせることで、コロナ禍での利用者減を克服するサービスを提供できるのではないだろうか。
回数券は得ではなかった
以前の時刻表には、新幹線や特急の回数券の案内を多く掲載していた。
2011年3月号の『JTB時刻表』によると、東京都区内〜大阪市内で6枚つづりの「のぞみ指定席回数券」は8万2500円。有効期間は3カ月。しかし8万2500円は、一気に払うにはきついのではないだろうか。
東京都区内〜名古屋市内の「新幹線回数券」(普通車指定席用)は、6万420円。なお、東京都区内〜大阪市内には「新幹線回数券20」があり、20枚つづり3カ月有効で、26万4800円。週に1回は東京と大阪を往復する人でないと、普通は購入しないと考えられる。
東京都区内〜仙台市内では、6枚つづりの「新幹線回数券」は5万9100円である。こちらも3カ月有効だ。
クレジットカードで買って分割すればいいじゃないか、という意見もあるかもしれない。しかし、クレジットカード会社は換金性の高いものを購入するのを嫌がる。換金性の高いものをよく買っていると、カード会社はチェックをする。それに分割払いをすれば手数料が上乗せされてかえって損である。
前払いがしっかりできるような人でなければ、回数券で得をすることはできない。駅の窓口や指定席券売機で乗車券と特急券を購入するよりも、回数券をチケットショップで買って窓口などで席を指定するほうが安上がりだ。JRにとっては、これは苦々しい状況だろう。
そこでJR各社が普及させたのは、ネット予約やチケットレスサービスである。
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