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苦しいといわれる第二地銀の実態は? 福島銀行の業績ポイント妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(6/9 ページ)

決算書といえば投資やビジネス視点で見るイメージがあると思いますが、より一次情報に近い経済ニュースでもあります。「決算書で分かる日本経済」ということで、4回連続で地方銀行の決算を取り上げていきます。

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金利上昇によって保有債券価格が下落

 株式の売却を進めた結果、3億円のプラスとなった有価証券の評価損益ですが、22年3月期には再び28億円のマイナスとなっています。この理由は、千葉銀行の際にも触れた通りで、金利上昇による既存債券価格の下落です。

 利上げが進むと既存の利回りの低い債券の価格は下落します。

 前回の千葉銀行と同じ説明になりますが、今回も語弊を恐れずめちゃくちゃざっくり説明すると、同じ米国債で1億円で年利1%のモノと年利5%のモノがあれば当然みんな5%の方が欲しいわけです。そのため、金利が上がると金利が低かったころの債券を買う人がいなくなるので、債券自体の価格を下げて9500万円などにして実質利回りを合わせないと売れなくなってしまうという話です。

 債券運用に対する文言を見ると、債券は満期まで保有するものが多いようです。

 株式を増やして収益を増やそうとしていたことから考えても、利回りの高い長期的な債券を多く持っている可能性が高そうです。

 となると満期までの期間は長いでしょう。欧米を中心に金利は上昇しているものの、その影響による債券運用の利回り良化というのには時間がかかる可能性がありそうです。

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