「お先に失礼します」が言いにくい職場 残業がなくなる方法は?:蔓延る“義務的チームワーク”(3/4 ページ)
「何かと“チームワーク”といわれるので帰りづらいです」――こう話すのは、あるベンチャー企業に勤める松本さん(仮名、23歳男性)。松本さんの会社の社長は何かにつけてチームワークを重視しており、職場の雰囲気として“帰りづらい”が蔓延しているそうです。
同調圧力が義務的チームワークを生む
松本さんの職場は“チームワーク”を非常に大事にされているそうです。これ自体、特に批判されるようなことではないでしょう。しかし、チームワークも行き過ぎると単なる同調圧力がキツい組織となり、主体的チームワークから義務的チームワークへと変貌してしまうのです。
「何かお手伝いすることはありませんか?」――帰宅する前には必ずこう声がけするように指導されたことはありませんか?これはどちらかというと「一応、気を遣ってますよ」というポーズであり、声がけされた方もそれは分かっており「大丈夫です」と答えるまでが一連の流れとなっていたりします。
とはいえ、たまには「ありがとう、ちょっとこれお願い」とお手伝いが発生することがあります。これは声がけした側もある程度想定の範囲内であり主体的チームワークの部類と言ってもよいでしょう。
ところが、中にはお手伝いをやたら広く解釈する人がいるのです。お手伝いなのに、数日はかかりそうな仕事を渡してきて、いつの間にかそれ自体が自分の業務として常態化していくようなケース。その他、「今じゃなくてもいいでしょう?」と思えるような仕事をやらせようとする人もいます。
そうなると、ポーズの面もあるものの、「本当に困っているのであれば手伝ってあげたい」という思いがあって声がけしていたものが、「余計な仕事を増やしたくない」「単に仕事の効率の悪い人を助けるのはヤダ」という思いに変化していくのです。
ただ、こうなってしまうと今度は、「下手に声掛けして仕事を増やされてはたまらない。とはいえ、声掛けしないで帰ると後でグチグチ言われそうでヤダ。それなら、今やる必要ないけど自分の仕事をやってよう」となってしまうのです。中には「特に仕事はないけどポーズだけでもそうしよう」という人も登場します。
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