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ある日突然、パワハラ“加害者”に――「育てる」概念は捨てる! 上に立つ者が心得るべき3つのこと大愚和尚のビジネス説法(2/3 ページ)

和尚と20年ぶりに再会したKさん。昔話で盛り上がるも、浮かない顔をしている彼に理由を尋ねると「パワハラ加害者」になってしまったという悩みを打ち明けられて――。他の個性を認め、尊重することで共に成長を目指す従業員と企業、そして上司と部下。価値観が変わり続ける現代において、「人を育てる」とはどういうことなのか? リーダーが学ぶべき心得を和尚が説く。

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 「ハラスメント」とは、相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることであり、「嫌がらせ」を意味します。行為者の意図は関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントとされてしまいます。考えてみれば、職場は家庭より長い時間を過ごす場所です。その職場で、いじめや嫌がらせが日常化しているとしたら……そこは働く者にとっての地獄でしょう。ですからハラスメント問題が広く、深く、社会に浸透することによって、救われる人たちが増えることは、歓迎すべきことです。

 しかしながら、ハラスメントに対する意識が過剰になれば、常に腫れ物に触るように部下と接しなければならないストレスに、心身を蝕まれる上司も増えるのです。私は、YouTubeで『大愚和尚の一問一答』と題するお悩み相談番組を発信しているのですが、そこには、ハラスメントを受けて苦しむ人々からの悲痛な叫びが届きます。――と同時に、ハラスメントを訴えられて苦しむ上司や経営者たちからの、悲嘆にくれたSOSも届きます。嫌がらせをしているつもりはないのに、ハラスメントと解釈されてしまうことに怯える上司。繊細過ぎるがゆえに、真摯に仕事に取り組む上司の姿勢を、ハラスメントと解釈してしまう部下。

 そもそも職場は、上司と部下の対立の場ではありません。上司も部下も、それぞれの役割を果たしながら、チームとなって、会社の目的や顧客満足に向かって精進する。対立関係ではなく、協調関係へ。そのようにチームを導いてゆくことが、リーダーの役割です。

「巧み」なリーダーになるために重要な3つのこと

 仏教では、「悪をやめ、善をなし、心を清らかに保つ」生き方を勧めています。仏教が説く「悪」には、「下手」という意味があります。「善」は、「巧み」を意味します。私たちが住む世界は、実は私たちの心が作り出しています。常々心中に抱く「悪(下手)」なる信念が、私たちの周りに「悪(下手)」なる世界を作り出します。日々心中に育む「善(巧み)」なる信念が、私たちの周りに「善(巧み)」なる世界を作り出します。

 もし現状、自分の職場に「下手」な世界が作り出されているとしたら、それは、リーダー自身が、無意識のうちに「悪(下手)」なる信念を抱いてしまっているのかもしれません。

 どうせ同じ人生を歩むなら、下手に歩むより巧みに歩みたい。もしあなたがそう望むなら、「巧み」なリーダーとなるために大切な心得が3つあります。

【1】「目的」を共有し「目標と行動」を明確化すること

【2】「トライ&エラー」を忍耐強く見守ること

【3】責任を引き受けること

 それぞれの詳細を見ていきましょう。

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