上司になったゆとり世代、後輩への声かけで意識することは?:“沼る”ビジネスパーソンの共通点(2/4 ページ)
“扱いにくい部下”とのレッテルを貼られ続けてきたゆとり世代がかっこいい先輩になるためには――。人材育成支援を手掛けるラーニングエージェンシー取締役の田中敏志氏に話を聞いた。
上司になったゆとり世代が陥る“沼”
――いわゆる“ゆとり世代”が上司・先輩の立場になったとき、意識すべき点やこれまでの世代との違いはあるのでしょうか。
田中: ゆとり世代だからというわけではありませんが、近年「後輩に対して厳しくしてはいけない、でも自分はかつて上司にこうやられた」というジレンマから、あまり踏み込んだ声掛けができない人が増えていると思います。
私自身、さまざまな企業の話を聞いたり、社内の様子を見たりする中で感じるているのですが、後輩の話はしっかり聞けていても、伝えるべきことを言えていない傾向にあると思います。後輩に対する指導にまだ慣れてない部分もあると思いますが、踏み込みすぎると「ハラスメント的に取られちゃうかな……」とためらう人が多いと思います。
ラーニングエージェンシー取締役田中敏志氏 事業会社を経てラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション)に入社。公開講座や企業内研修等、年間150回以上の研修を実施。経営企画、サービス企画・開発の責任者を担当している
――なるほど。世代を問わず部下や後輩への声かけに苦手意識を感じている人も多いと思います。上司・先輩として意識すべきことはありますか。
田中: 部下や後輩に対して、改善してもらいたいことや現時点で達成していることを共有し、認識してもらうことが必要です。ただ最近は、どちらもあまり深く考えずに「どう部下・後輩と向き合えばいいのか……」と不安を抱いている人が多いと思います。
年代を問わず全ての上司・先輩にいえますが、アプローチとして個人の感情を入れてはいけません。客観的な状況として「できていること、できていなこと」を伝える必要があります。
そのためには、部下や後輩の様子をしっかり見て言語化する訓練が必要です。“ダメ出し”しかできない状況になると、部下に対してうまくアプローチできなくなり、「もう後輩に何も言わない方がいいのでは……」と、コミュニケーションが滞ってしまう原因になります。
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