AI vs 絵師の戦争勃発? たった10円以下で本格イラストをつくれる「NovelAI」は人類の仕事を本当に奪うのか:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/5 ページ)
AIを使ったイラスト生成サービスが話題だ。一部では、絵師たちの仕事を奪うのではないかという危惧も出始めているが、実際のところ、どうなのか。筆者が実際に「Novel AI」を使ってイラストを制作するとともに、絵師とAIの未来を考えてみた。
2022年は、さまざまな「時短ビジネス」が流行の兆しをみせつつある。
動画コンテンツにおいては、1.5倍速ないし2倍速再生といった再生速度を調節する機能が多くの動画サイトに実装されるようになった。YouTubeでは、動画の見どころをグラフ形式で示し、コンテンツの「一番おいしいところ」だけを厳選して効率的に流し見できる機能も実装されている。
クリエイティブの世界では、制作補助としてのAIツールもクリエイターにとって心強い武器となっている。例えば、画像編集ソフトのAdobe Photoshopや、動画制作ソフトのAdobe Premiere Proなどをリリースするアドビでは、AIが自動で背景を切り抜いたり、音声から自動で動画に載せる字幕やテロップを作成したりする機能を近年では強化している。クリエイティブ制作の手間がかかる工程をAIが補助することで、短時間でコンテンツをリリースすることが可能となってきているのだ。
なかでも「NovelAI Diffusion(以下、NovelAI)」は、そんなAI時代の寵児(ちょうじ)といえるだろう。NovelAIとは、米Anlatanが運営するSaaSモデルのAI小説・画像生成アプリケーションだ。従来は、1行の英文からAIが先の展開を自動で生成する自動小説制作ツールとして有名であったが、10月3日からAIがイラストを自動生成する機能が実装された。
当初はクリエイターが自身の構想をいったんAIに出力させて、そこからインスピレーションを得ることで効率的に自身の制作物をリリースできるのではないかという活用法が予想されていた。
しかし、これがあまりに高品質であるが故に、ちまたで問題となっている。
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