コラム
社長は「トヨダ」氏なのに、社名はなぜ「トヨタ」? “TOYODA”エンブレムが幻になった3つの理由:その社名、間違えてはいけない!(2/2 ページ)
日本の自動車産業をけん引するトヨタ自動車。しかし、同社の豊田社長の名字の読み方は「トヨダ」と濁点が付く。なぜ、創業家の名字と社名が異なるのか? 経緯を調べると、そこには3つの理由があった。
「トヨタ」にした3つの理由
「トヨタ」への転換のきっかけは、マークの制定だった。36年に全国から「トヨダ・マーク」のアイデアを募り、その結果として同年9月25日に制定されたのは「トヨタマーク」。これに伴い10月には商品名を「トヨダ号」から「トヨタ号」に改称し、翌年に自動車部門を分社化した際にも濁点抜きの社名とした。
あえて「トヨタ」にしたのはなぜなのか。同社のWebサイトにはその理由が記されている。
「トヨダ」から「トヨタ」に改称した理由
- 濁音がなく、さわやかで言葉の調子もいいこと
- 日本語で「トヨタ」と書いた場合、総画数が「末広がり」として縁起がいいとされる「8画」になること
- 創業家の名字から離れることで、個人の会社から社会的企業へと発展するという意味を込めたこと
これまでに11人いる同社の歴代社長のうち、豊田姓ではない人は5人。このことをもって「創業家の会社ではなくなった」と考えるべきかは判断が分かれそうだが、「社会的企業」といえる存在に成長したのは確かである。世界に羽ばたくトヨタになったのには、「末広がり」の縁起のよさにもこだわる意識が関係しているのかもしれない。
「トヨダ」読みの会社もあるので要注意
「なるほど、そういうわけで『トヨダ』から『トヨタ』になったのね」と知識を深めた読者の皆さんには、せっかくなのでこのことも覚えてもらいたい。トヨタのグループ企業には、「トヨダ」読みの会社も存在する。
合成ゴムや合成樹脂などを用いて自動車部品を製造する豊田合成(愛知県清須市)の読み方は「トヨダゴウセイ」。豊田佐吉氏ゆかりの地に設立された会社だ。取り引きがあった際には読み間違えないよう、注意してほしい。
間違えそうな社名を、他にもチェック!
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