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利益の半分は不動産──フジテレビの不調で、変わるフジHD 101億円の大幅減益でも安泰な理由:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(4/5 ページ)
フジ・メディア・ホールディングスといえば、フジテレビなどの「メディアの会社」というイメージが強いかもしれない。しかし、その内実は異なる。
賃貸不動産の資産の状況を確認すると21年3月期末時点では帳簿価格が2313億円に対して、時価は2743億円と430億円もの含み益があります。前期末時点での含み益は329億円ほどだったことを考えると、不動産の含み益が100億円も増加しています。
20年3月期の営業利益は263億円で、21年3月期の営業利益は162億円と101億円もの大幅減益となっていました。しかし、フジ・メディア・ホールディングスを不動産運用まで含めた資産運用会社と捉えれば、含み益の増加で減益分は相殺できるため、業績悪化はしていないと考えることも可能です。
なお、22年3月期の含み益は計629億円まで増加しています。22年3月期は営業利益ベースでも大幅増益だったことと合わせると、非常に好調であるという評価も成り立ちます。
このように、フジ・メディア・ホールディングスは不動産も多額なので、資産運用会社として捉えて不動産の含み益まで見てみると違った状況が見えてきます。
そしてもう一つ、含み益を見る際に重要なものがあります。有価証券です。実はフジ・メディア・ホールディングスは非常に多額の有価証券を持っています。「投資有価証券」の金額を見てみると21年3月期には4087億円、22年3月期には4117億円と多額です。
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